すると、悠太先輩がわたしに近づいてきた。 「恭平な、優希ちゃんのこと教室まで迎えに行ったんだよ」 「…え」 先輩は、お兄ちゃんに聞こえるようにわざと大きい声で言った。 「ちょ悠太くんそれ言わなくてよくない?」 苦笑するお兄ちゃん。 「へえー妹思いのお兄ちゃんですな」 「隼人くんまでぇ!」 「シスコンだ、シスコン」 「優希ちゃーん!」 家のお兄ちゃんも学校のお兄ちゃんも同じだということが改めてわかった。