桜の木の下で




「あ、ごめんあたし今日家の仕事手伝うんだったわ」



遥香ちゃんは、携帯を開きながらそう言った。



「あ、パン屋さん?」



「そうそう」



遥香ちゃんの家はパン屋さん。



遥香ちゃんはいつもレジを任されているらしい。



え、わたし一人!?そ、それは寂しすぎる!



「…んじゃあわたしも帰ろ「優希は一緒に帰るぞ?」



「へ?」



いつのまにか隣に立っていたお兄ちゃん。



「え、なんで「んじゃああたし帰ります」



「ありがとな、はるちゃん」



「いえいえ」



「ちょ、遥香ちゃ「バイバーイ」



わたしの話を聞かずに、遥香ちゃんは帰って行った。



お兄ちゃんは呑気に手を振っている。



…なんなんだお兄ちゃんは……