桜の木の下で




「……格好いい」



「いや、先輩ただ走ってるだけだし」



体育館につくと、部員全員でアップをしていた。



走ってる先輩も、ストレッチしてる先輩も、とにかく全てが格好いい…!



「どんだけ惚れてんの」



目を輝かせているわたしを見て、遥香ちゃんは呆れていた。



バスケ部は全員で12人。三年生はいないので、もちろん全員二年生。そして、仮入部らしき一年生は10人いた。



ぼーっと先輩を見つめていたら



「…あ!優希ーっ!」



お兄ちゃんがわたしに気づき、手を振ってきた。



わたしもニコニコしながら手を振る。



他の部員がわたしたちを見てびっくりしていた。