「…先輩はモテモテですね」 「……え?」 …やだ、何言ってるのわたし…… 「わたしの友だちも、前先輩が告白されてるとこ見たそうです」 「優希ちゃん?」 「きっと、先輩の好きな人も」 「優希ちゃん!!」 「……っすみません」 思わずわたしは自分の鞄を持ち、着替えもせずに部室を出た。 後ろから先輩の声が聞こえたけど、わたしは振り返ることなく走り続けた。