「どうしたの?」 後ろから声がした。 振り返ってみると、同い年くらいの男の子が桜の木のかげからひょこっと顔を出していた。 「…だあ、れ?」 聞いてみると、男の子はこっちに近づいてきて、笑顔で 「僕はゆうただよ」 と答えた。 「君は?」 「…ゆ、き」 「ゆきちゃんかあ、可愛いねっ」 男の子はわたしの頭を撫でてくれた。 …おにいちゃんみたい……