今から11年前の4月。 わたしはまだ5歳だった。 今日は年子のおにいちゃんの小学校の入学式。 わたしは、入学式から帰ったおにいちゃんと一緒に、家の近くにある大きな桜の木の下で遊んでいた。 このとき、桜は満開だった。 「あれ、おにいちゃん…?」 一緒に遊んでいたはずのおにいちゃんが突然いなくなった。 「おにいちゃーんっ!」 何度叫んでもおにいちゃんは出てこない。 「…おにい、ちゃん…?」 寂しくなって、涙がこぼれた。 「ぐすっ…ううっ…」 と、そのとき