それからどれくらい経った時かな。雄太のスピードが早いおかげで看板の半分がすでに埋まりはじめてた頃やった。

「お、忠義!お前遅いなぁ−」

「電車遅れとってん」

「またまた−そんな嘘通用すると思っとんのか宇治川君」

「ちゃう、ほんまやねんて。高槻で止まった、高槻で。早川、高槻で止まってん」

「分かった、分かったからなんやねん」

やっぱり仲良しなんやなぁって思う。忠義がおる、おらんだけで雄太のテンションは高くなる。

「あ、すげ。もうこんな出来たん?」

「あ、うん」

「すげぇやろ。ほとんどな−俺が描いたんやで」

「あぁ?」

「あ、ななんが怒った!嘘嘘、ななんも頑張ってた。俺休憩ばっかしとったけどななんはひたすら描いとったもんな」

「へぇ−俺、必要?」

この時にはじめて感じてん。忠義の笑った顔にちょっとドキっとする自分に

「おい忠義−そんなこと言うなよ−俺ずっとお前待っとったんやから」

「あぁ?知らん、そんなもん」

「ああっ忠義が冷たい」

「宇治川君バイトしてないん?」

「いや、しとるけど最近暇やからええねん」

「暇やからいいってどうゆうことやねん」

そうやって、しばらく三人で看板作りに励み昼になったらさやも来て四人で頑張った
はじめはさやと二人でやるつもりやった看板作りも四人に増えてしんどいだけやと思ってたのも楽しいに変わってた