私が忠義と出会ったのは高校の二年になってからで
でも、ほんまのことを言うと忠義のことは一年の頃から知ってた









「おはよ、なな」

「あ、おはよ−さや」

「ちょっと聞いてやなな−さっき階段でこけてん」

「まじで、大丈夫なん」

「気合い気合い」

さやとはこの学校に入学して一番に話した女の子で、すぐに仲良くなった
一見派手そうに見えるけど意外としっかりしてて頼もしい。私にはないものをもってるさやは今となっては私にはかけがえのない親友となってた

「今日から新しいクラスやな−どんなクラスなんやろ、めっちゃ楽しみやわ」

「私も。はよ見に行こや」

高校は短いよって、この前卒業した先輩が言ってた
まだ一年しか経ってないからなんとも言えんけど、とりあえずこの短い高校生活をあと一年に迎えた私は妙な焦りを感じててさやにも言ったことがあった

「あ−−三組やん。なな、しかも同じクラス」

「まじで、やったぁ」

そしたらさやは、こう言った
『でも、それだけ楽しいってことやろ?ならええやん』
たった一言。たった一言やったけどその一言に納得がいって私の妙な焦りは瞬時に消え去った


「他に誰いてるん?」

「あんな−私の知ってる範囲やとほとんど芋軍団やねん、残念ながら」

「うそやん」

芋軍団、それは私とさやが一年のクラスであまりにも芋くさいばっかの四人組がおって、芋軍団とつけざるを得なかった人等のこと

「え−私の後ろ知らん人なんやけどまた芋やったらどうしよ−」

「私なんてまた前から二番目やし。もうええっちゅーねん」

それからどれくらい経ったときかな。忠義とはじめて話したのは
宇治川 忠義
一見男前で背の高い陰気臭いやつってさやは言った