「加奈ちゃん…っ!」


その声と共に、誰かが私の肩をつかんだ。


「…っ?!」



振り向いてみると、知らない中学生くらいの男子がいた。

私は急いで逃げようと手を振りほどこうとした。
「いやっ!やめ…」


「僕はみかただ!」



私の震えた手をそっと彼は包みこんだ。


「だって、私はこの知らない世界に…、死んだのに…。」



「大丈夫。僕が説明する。」


そう彼が、言った。


私は彼を信じて話を聞く事にした。


「信じる…。だから説明して?」



「この世界には、無数の世界と無数の未来がある。つまりこの世界には、無数のパラレルワールドがあるんだ。
加奈が今までいた世界はその無数のパラレルワールドの一つの世界なんだ。
そのパラレルワールドを支配している存在の者がいるんだ。
それが、僕の父なんだ、つまり僕の父は神なんだ。
だが、間違ってしまって加奈を違うパラレルワールドに飛ばしてしまったんだ。
だから、僕は人間界のパラレルワールドに加奈を救うために来たんだ。
だが、どうやらここのパラレルワールドは、
とんでもない所だったんだ…。」




そう彼は言ったあと口を閉ざしてしまった。


「とんでもないって?」


私はそう聞き返した。