――ヒロヤ達が来る前に、
あたしは自分の部屋に戻った。
お兄ちゃんと話しているカイの顔ばかりに目が行ってしまって、落ち着いていられなかった。
…カイ。
一言で言うと、
“かっこいい”
Tシャツからのぞく、
ガッチリめの腕。
何でも見透かされそうな
鋭い瞳。
整った顔が、笑うとやんちゃな少年になるとこ。
低く心地いい声。
クラスにはいない男。
あたしのタイプど真ん中。
短時間のうちに、
あたしはカイに魅せられていた。
ぐるぐる頭の中を回るカイ。
お兄ちゃんの友達のカイ。
6才も年下のあたし。
相手にされるわけなんてないのに…
気になって気になって仕方がないよ。

