「が、学校は今日は土曜日で、や、休みで!…」



元々お兄ちゃん以外の男子が苦手で、まともに会話出来ないあたしは、


声が裏返って緊張が丸分かりだ。



「ふぅん」



カイは灰皿にタバコを押し付けると、あたしと向き合うようにしてベッドに腰かけた。



カイが近くに来ただけで身構えてしまうあたし。




「乃絵、そんな怖がるなよ、な?カイの事も俺と同じ兄貴だと思えば平気だろ?」



「…うん…」



隣に座るお兄ちゃんが明るく微笑んだ。



…お兄ちゃん、
違うよ。


あたし怖くなんかない。
怖くなんかないけど…
どうしてだろう。


さっきカイに触れられた手が、火傷したかのように熱く感じるんだ。



カイの事、
まともに見れないよ。
顔が赤くなるのがわかるもん…