「乃絵、行け!カイさんもう家に来てるって!オレも後から行くから」



ヒロヤに背中を押されて、
あたしは走り出した。






――「お兄ちゃんただいま!
ごめんなさい!」




勢いよく家に飛び込むと、
リビングでお兄ちゃんとショウ君が待っていた。



「乃絵!お前、心配したぞ!
どこ行ってたんだよ!」



「あー!乃絵ちゃんおかえりー!あ、忘れ物した。
慶太君、コンビニ行こ!」



怒ってるお兄ちゃんを無理やり外に追い出すショウ君。



「部屋にいるよ」



すれ違い際、小さな声で教えてくれた。