「おい!
お前なにやってんだよ!」



――突然、頭の上で声がした。


「あれ、ヒロヤ。
何してんの?」



「あれ、じゃねーよ!
何時だと思ってんだよ。
携帯は家に置いたままだし、
もう10時だぞ!慶太さん真っ青な顔して心配してんぞ!」



制服姿のヒロヤが怖い顔をして立っていた。



「…うそ!ごめん、
そんなに時間経ってると思わなくて…」



「バカ!
本当にみんな心配したんだからな!」


「ごめん…」


「なんだよ、何かあったのか?いつもみたいに突っかかってこないじゃん」


「ううん、なんでもない」


落ち込んでる顔を見られたくなくて、ヒロヤの視線から顔を背けた。