昨日、
「朝10時前に起こして」
って言われたから
こうして起こしに部屋に来たのに…



いつもはすぐに起きるお兄ちゃんが、今日はまったく反応なし…



「ねぇ…お兄ちゃん!」



あたしはベッドの横に膝をつきながら、布団を少しめくった。




……あれ?




うつ伏せに寝るその姿、顔こそ見えないけど…なにこの違和感。



「…だれ?」



…お兄ちゃんじゃない?!




「ひゃっ!!」




その時、お兄ちゃんのベッドで眠る得体の知れない“その人”が、


無意識のうちに枕元に置いてたあたしの手を握るように、
自分の手を重ねてきた。



「……キャ、キャー!!」



次の瞬間、
家中に響きわたるあたしの叫び声。



…その人は“パチッ”と目を開いた…