だいじの近くにある名前

「ありがとう」

ユミは冷えきったおれの頭を、ひざのうえにのせてくれた。

やわらかくて、冷たいふともも。
内側には、おれも知ってる秘密がある。

ここで告白するのは、たぶんフェアじゃないだろう。

絶対ユミもうけいれてくれないはずだ。

もっとも、それ以前の問題かもしれない。
おれは自分に絶対的の自信はない。