だいじの近くにある名前

「おたがいの今の気もち話して、ちゃんとわかれてきた。なんだかあたし、ずっとめいわくかけっぱなしだよね」

車のノイズも、葉ずれの音も、なんだか立派な音楽だった。

ふたりの決着記念日だから、そんなふうにきこえたのかもしれない。

アキラはこちらをふり返らずに、背中をまるめて去っていった。