「どうするにしても、一度ちゃんと話さなきゃだめだよ。もういっしょにいてもしょうがないとか、そういうんじゃなくって。思ってること、ちゃんと全部話して、彼氏の話も、ちゃんときかなきゃ。これをどうするかは松田が決めればいいことだけど、彼氏も松田も、みんなが納得できるかたちにしなきゃ、絶対だめだ」

おれはひと息になんとかそこまでいった。
自分でもわかる。
ろれつがぜんぜんまわっていない。
それでもユミは、いいたいことがわかったらしい。


指輪を返すか、指にはめるか、彼女のなかでこたえはきっとでているだろう。

おどろいた顔のまま立ちつくす、アキラをつれて、ユミはおれからはなれていった。