五月の終わりに席がえがあった。
高校二年になってまでそんなことをやるんだから、公立校はおもしろい。

おれはユミのとなりになった。

「よろしくね、矢島くん」

ヤンキー疑惑のかかった女は、社交的にそういった。

おれもならって頭をさげた。

その日以来、毎日ユミと言葉をかわすようになった。