だいじの近くにある名前

「これのこと?」

かすれた声でそういって、ユミは半分身体をおこす。

なにも確認できないまま、なぜか視線をそらしてしまう。
ユミはおれの後頭部を、指の腹でなぞっていった。

「知ってる。あたしも、そのうわさきいたことある。ばかみたいだよね。でも、それってあんまり間違ってないのかも」

なにをいっているのかわからない。

おれの胸は、はじまりかけたセックスよりもどきどきしていた。

もし、ユミの内ももに名前があったら、おれはなんといえばいい?

つるっとした質感の、白いミニコンポを見ながらいった。