だいじの近くにある名前

身体の凹凸にいちいち引っかかりながら、おれの両手はそれぞれべつのルートをたどっていった。

右手がなだらかな胸をなで続け、左手が背骨にそって上下する。

こんな感じでいいのかな。
ひさびさのセックスは、なんだか手さぐりばっかりだ。

ユミの腹をなでながら、おれは一度身体をおこした。

「ごめんね」

さらさらの背中に両手をまわし、おれは彼女の身体をあおむけにした。

「……ん」

のどの奥で、ユミの声がうすく漏れる。