「これから、CD借りにいっていい?」

ユミはいつでも、まえふりなしだ。
おされ気味に、おれはまぬけな顔をするだけだ。

「どうせ、帰ったってテスト勉強なんてしないんでしょ。あたしもひまだから、遊ぼうよ」

そのとおりなのでうなずいた。
おれの成績が悪いのは、クラス中で有名だ。
明日のテストは英語、数学、古典のみっつ。
どれもおれには関係ない。
大量のお菓子を買いこみ、家に帰った。

ユミにCDを貸すようになってから、おれの部屋は違うかたちで散らかっている。