だいじの近くにある名前

四人がかりでぺしゃんこにされて、植えこみに投げられた。
顔や身体はどこが痛いのかさえわからない。
汗と血の区別だってなくなっていた。

ワークブーツで股間を蹴とばし、アキラがいう。

「次はこんなもんじゃすまさない。これに懲りたら、もう二度とユミには近づくな」

いくらこっぴどくやられたって、そんな約束できるわけない。

おれはノーといおうとしたが、言葉はほとんどでなかった。

夜の街には人がけっこう歩いていたが、みんな無視して去っていく。

ヤンキー四人は、透明人間になったおれをふり返らずに、ゆっくり歩いて帰っていった。