放課後のユミは、おれの部屋でも堂々としていた。
たぶん恋愛対象じゃないからだろう。

棚から溢れだし、ミニコンポのまわりに山積みになっているプラスチックケースを見ていった。

「すごいねー。こんなにいっぱいもってんだ」

イエスともノーともいえずに、おれはソファーの角に座った。
赤いレザーのソファーはコンポをはなれて正面だ。
あいだにものおき代わりのガラステーブルがおいてある。

「なんか、めぼしいものでもありそう?」

ユミはこたえず、ベッドのうえのジャージのパンツを指さした。

学校で拾った、クラスの誰かのハーフパンツ。
サイズはLのまえにXがみっつ。