午後の授業中、おれが片耳にイヤホンをつっこんでCDをきいていると、ちいさな声でユミがいった。

「それ、泣ける曲?」

その日おれがきいていたのは、へヴィーメタルでモーターヘッド。

曲は『シャイン』や『アイアンフィスト』。

とても泣ける曲じゃない。

「違うけど、どうして?」

「そっか」

なんだかちょっとめずらしい。
ユミはすこしさみしそうな顔をした。