「両親は、今いないよ。お兄ちゃんがいる。」


「ふーん。」

あの恐そうなお兄さんか…。

「あ!!そこです。」


陽奈の家は、なにげにでかい。

「陽奈?」

「ん?」

「今から、社長は、優馬だからな。」

バレたら困る…。


「うん。」

俺と優馬は深呼吸して、陽奈の後を付いて家に入った。


「ただいま。お兄ちゃん。」

陽奈が呼ぶと、一人の人が出てきた。


「え!!恭さん!?」

意味がわからない…。
陽奈の兄貴が、恭さん!?

恭さんは、俺の中学の先輩で、俺が入学した時にはいなかったけど、撮影の度可愛がってもらった。

「おぉ!!日悠じゃん!!どした?」

何て説明すればいいのやら…。
「日悠君が、モデルやってみないかって誘ってくれたの。で、こちらが、社長さんの優馬さん。」

ナイスフォロー…今は、陽奈に感謝…。


「初めまして。東道優馬です。」

設定によると、俺と優馬は兄弟。
実際は、俺のマネージャーの樹と優馬が兄弟であって、俺とは無関係。