君だけのもの

【日悠】



「日悠!お前…また、妃葉璃(ひばり)泣かせたのかよ…。あいつ辞めたぞ?」

優馬(ゆうま)が愛想尽かした顔で俺に言ってきた。


「知らねぇよ…。」


「あ‐あ!…これでまた、モデルが減った…お前のせいで…。」
俺に、捨てられて拗ねた子犬みたいな顔を向けて優馬は、溜め息をついた。
まぁ、それも無理ない。

うちの事務所からモデルにスカウトするのが優馬の仕事で、その仕事を増やしているのが俺。


「だ‐‐!もぅわかった!!明日高校の入学式だから、そこでやっていけそうな奴スカウトしてくるよ!!」



「やったぁ!!さっすが社長!」


25歳とは思えない程の屈託の無い笑顔を向けてくる優馬。


…馬鹿だ…。