SGの会社には、俺専用の部屋がある。

まぁ、俺が勝手に専用にしたんだけど。

そこに、ある程度生活出来るだけの物が揃ってる。

俺は何度この部屋にお世話になっただろう…。



会社に着いて、社長室に向かう。

社長室に入るとき、一応ノックするけど、返事は聞かない。

「日悠ー…。」

「何?」

入っていきなり優馬が、今にも泣きそうな声で言ってきた。

「水着ー…。」

あ…そういう事か…。
水着のデザインは俺も優馬も大の苦手。


「ん‐……はぁ…考えよう。小西たちにも考えさせて。」

小西たち=SGのデザイナーたち
この前、夏物のデザインがいまいちだったから、期待は出来ないけど…。

「わかった。日悠、寝なくていいのか?」

「寝てられる状況じゃねぇだろ…。今週末までには考えねぇとなんねぇし…。」

まじ、水着は俺の敵だな…。