「拓海ぃ♪
早く帰ろぉ。」


「あぁ。
ちょっと待ってな。」


なあんだ。
あたしに向けた笑顔と全然違うじゃん。


‘帰ろ……’
そう思ったときだった。


『キャーーー!!!!』


女の子の叫び声。
なにかな??

そう思って振り向いた。
途中、‘見んな!!’って優也の声が聞こえたけど、その時にはもう遅かった。



もう、見ちゃったよ。



見ちゃった。
拓海と女の子がキスしてるとこ。


しかも、拓海から。


‘あ、やばい。涙出るかも’

そんなことをのんきに考えていたら、体がフワッと軽くなった。



「もう、行くぞ。」


「えっ!?優也!?
下ろして!!」


あたしは優也にお姫様だっこをされていた。


っっ!恥ずかしすぎるでしょ///