【短編】タイムカプセル




「たしかここら辺だっけ?
どうする。開けちゃう?」

木のそばにしゃがみこんだあたしはそのまま木に体を預ける。





「今開けたら楽しみなくなんじゃん。
まだ10年しか経ってないぞ。」




「あと、5年か……長いなあ。」






葉の落ちた枝を見ながらあたしはちいさな声で呟く。



「まあ、その5年でお前が少しは大人しくなってくれれば、俺はなんも文句言わねーよ。」



「なにそれ、ひどーいっ。」











でも、その5年であたしたちは変わってしまうかも知れない。


それが怖かった。














「タクヤ、あたし待ってるからね。
一緒にタイムカプセル掘り出すの。絶対に何があっても2人で堀りだそうね。」