コンコン


一応ノックしてから入った。


「よぅ。」



「どうしたの?兄貴が部屋に来るなんて珍しくね?」



本当に珍しいかも。

最近圭の部屋行かなくなったしな。


「まぁまぁ。しゃべりたい事があんだよ。」


「ほーぉ。何?のろけ?」



バカめ。

俺がいつものろけてると思ってるのか!!


まぁ、あたってるんだけど。


「違う。圭のこと。」



圭の動かしていた手が止まった。

顔の表情も若干引きつった。


やっぱ何かあるな。


「何?今更俺の事気になったの?」



圭は必死に作り笑いする。

作り笑い下手だな。


「笑顔作るならもっとうまく作れよな。」


俺がそう言うと圭は目がまた遠くを見ている目になった。



「はは。もっとうまくか。
そう言えば羅夢と上手くいってんの?」



あ。

話変えた。
圭がいつも逃げるとき。


この癖直せよな。


「また明日も羅夢に会いたいなぁ~。」



「おい圭。」



「なーに?」



圭は目を合わせない。


「おい圭ってば!!」



「だからなーに?って返事したじゃん。」


は。

上等。


「こっち見ろってこと!!」



圭の顔をグイッとひねった。


圭はそれでも目を反らす。