「花、泣いてるだけじゃ分かんないよ」 そう言って、山田さんは私の前にしゃがんだ。 「なんでも、ないですから!!」 私がそう言うと、山田さんはため息をついた。 「…なんで、隠すの?」 「え?」 「今日、空港にいたでしょ?」 「!!!…どうして?」 「俺が、気づいてないとでも思った?」 考えると、また、あのシーンを思い出して涙が出てきた。