そんな私たちの光景を龍太君はじっと見ていた。



「ごめん。」



差し出された海斗の手をしっかりと握る。


「もうやだよぉ。こんなこと…。」



「えれな。家帰ろう。」




海斗は私の手をひき、共に家へ戻る道を歩いた。




「えれなっ。あの時。俺じゃなくてああいつを選べばいいと思ったか?」


手を握ったまま、




小さな声でつぶやいた。



「…んなわけないじゃん!」



「俺さ。えれなを幸せに…。」




その先を言う前に



海斗は突然倒れた。



「海斗!」



「えれな様!!」