「駄目」
私は、息切れをしながら言った。
「一樹には、手を出しちゃ」
「は?」
「お前、そのままじゃ死ぬよ?」
「私は、死んだって良いでも、一樹が死ぬのは駄目なの。」
「へー。」
「そっかじゃぁ、お望みどおり殺してやるよ」
「お前の、大事な一樹とな」
そう、言いながら親父は私の首を絞め始めた。
意識が、朦朧としてきた。
我慢していたら・・・。
ドアが、開く音がした。
「慶太、何をしているんだい」
その声に、反応したのか私の首をしめていた手が離された。
「優、大丈夫かい?」
「おばぁ・・・・ちゃん・・?」
「そぅだよ」
「慶太、救急車を呼びなさい」
「早くしなさい!」
めったに、怒らないおばあちゃんの声が怒っていった。
親父は、大人しく電話をしていた。
ここから、病院も近かったからすぐに来てくれた。
救急隊は、この現状を見て驚いていた。
「女の子が、危険だ!」
「早くしろ!」
「ご両親も、一緒に乗ってください。」