「小野、大丈夫か。」

お弁当を食べているときは気がつかなかったけれど、

僕と佐々木以外教室に誰もいなかった。

もちろんあの少女も視界が開けたときにはもういなかった。

ということはさっきの出来事をしっているのは

僕と佐々木とあの少女だけということになる。

また水道にいき、今度は髪以外のところも洗い流す。

ちなみに冬なのでかなり冷たい。

制服のなかにもかなり塩が入ってしまったのでジャージに着替える。

「悪いな佐々木。」

いいよ別に、と佐々木は微笑む。

「小野、さっきのやつ多分1年だぞ。リボンが緑だった。」

うちの学校は1年が緑色、2年が黄色、3年が青色と指定されている。

それだとますます謎めいてくる、1年に知り合いなんていない。

「探してみるか?」佐々木がいう。

「んー、そうするか。でも佐々木大丈夫なのか、部活とか。」

「俺部活はいってないし。1年で退部した。」

そうか、と僕はいう。退部した理由は聞かないでおこう。