忘れられない人

凌が覚えていてくれた・・・。

私はそのことがとても嬉しかった。

「あとでさ、中野さんちの住所、メールしてくれる?場所調べて、家まで迎えに行くから。」

「私が高島平の駅まで行ってもいいよ?」

「ん・・・近いから平気。それと、暑いけど長袖とズボンできてね。」

「長袖??」

「そう。暑いとは思うけど、何かあったときに怖いから。いい?」

「はーい。」

その後も、凌とずっとバイクの話で盛り上がった。

凌もバイクの話になると饒舌で、聞かれて嬉しいのか、いろいろと教えてくれた。

そんな中、いきなり湊が、デジカメを持って私たちの前に現れた。

「ほらほらお二人さん。撮るからもっとくっついて~。」

カシャッ。

一枚撮ると、さっさと自分の席に戻ってしまう。

「何だ、あれ。かなり酔ってんな。」