忘れられない人

私は端っこ・・・ということもあり、凌と話す機会が多くなっていた。

まぁ、凌以外の男の子たちには全く興味がなかったので、嬉しかったんだけれど。

「今日は飲めるの?」

「うん、1回家に帰ってバイク置いてから電車で来た。」

「普段もバイクで通勤してるの?」

「そうだね、飲み会・・・ってとき以外は、バイクかな。高校のときからずっとバイクだったから、電車の方がよくわかんないし、どこ見て乗っていいかわからないから怖い(笑)。」

「すごい好きなんだねぇ・・・。私、乗ったことないから、全然わかんないや。」

何気なく言った言葉なんだが、

「そうだ、来週の土曜、暇?中野さん、バイク乗りたいって、言ってたよね?」

と、凌から思い出したように言われた。

「夏はバイクの季節だから、乗って走ってると気持ちいいよ。ちょうど来週は空いてるんだよね。どぉ?」

バイクの話に、ニコニコしながら話す凌に、私は、思いっきり、

「うん!!!乗りたい!」

と返事をした。