忘れられない人

そんな私に、最初に気づいてくれたのが凌だった。

「中野、足、だいじょぶ?」

少し首をかしげ、心配そうなまなざしを向けられて、私は反射的に顔をそむけた。

「・・・大丈夫、です。」

「さっきから、びっこひいてない?」

・・・よく見てるんだな。

まぁ、嘘をついても仕方がないので、

「ちょっと鼻緒ずれができちゃって・・・。」

私のその言葉に、

「私、バンソーコ持ってるよ!・・・はい!!」

みちるが財布から、バンソーコを取り出した。

おっ。

ありがたい・・・。

私は手を出して受け取ると、貼りたいなぁとは思うものの、人で溢れた道路は、立ち止まることもできない。