忘れられない人

ショックのあまり、ボソッと言葉をもらしてしまった私に、

「なになに、中野さん、ダイエットしてるの??」

湊がすかさず食いついてきた。

「してます、してますとも!」

ヤケクソになった私は、エヘンと胸を張りながら、えらそうに言い返す。

女の子の大半は、みんなダイエットに日々、いそしんでるのよ。

「・・・中野は痩せなくていいよ。今のまんまでちょうどいい。あんまりガリガリだと、かわいくないよ。」

凌の思いがけない言葉に、思わずじーんとしてしまい、動作が止まってしまう。

「あれぇ、藤咲くんは、ガリガリ好きじゃないんだっけ?」

「好きじゃないよ。自分が細くてゴツゴツしてるから、女の子はやわらかい子のほうがいい。」

「・・・やわらかい・・・って表現、なんかやらしーんだけど・・・。きゃ、藤咲くんのエッチ!」

湊がおどけて言い、真っ赤になった凌は、反撃のコブシをごつんと湊に捧げた。