ソプラノ

涼の病室の前。








涼の姉ちゃんが一番に俺に気付く。







「もしかして弾くん?涼から君の話、聞いてたんだ」






涼の姉ちゃんは、優しく微笑んだ。








―笑った顔が、涼の笑った顔にとても似ていて・・・・俺もつられて微笑んでいた。






「弾くん・・・この間は悪かった」





涼の父さんが、涼の姉ちゃんの肩に手を置き、俺に頭を下げる。






「いえ、俺も失礼な事言ってすいません」




俺も頭を下げた。




「いや、悪かったのはわたしだよ。涼を本当に大切に想ってくれている君に、“忘れた ほうがいい”なんて言ってしまったのだからね・・・」



涼の父さんは苦笑いし、俺の肩に手を置いた。





「さあ、涼に会ってあげてくれないか」






そう言って、涼の父さんは、805号室のドアを開けた。