ソプラノ

―チン









涼がいる階。







俺はゆっくり、震える足を涼の病室に進めた。









涼の病室の前には、たくさんのカルテを持った看護師や、白衣を着て、マスクをしている先生、向かいのおばあさん・・・そして、涼の家族がいた。







俺は涼の病室に近付けないでいた。








―足が、ガクガクと嗤っている。








俺は両手を握り締め、自分の情けない姿に顔を歪ませた。













「弾!何こんなところで突っ立ってんの?」




ふいに後ろから声をかけられ、俺は後ろを振り向いた。



「ほら、涼ちゃんの一番近くには弾がいなきゃ」





由希は笑うと、俺の背中を押した。