“幸せ”





その言葉が、確かに俺の心に響いた。






“幸せ”






俺も、幸せなのか?






俺は涼の小さな体を抱きしめた。









「何泣いてんだ?ばぁか」





俺は涼の髪を優しく撫でた。









「へへ・・・嬉しかったからかな?」





涼は恥ずかしそうに笑うと、俺の背中に手を回した。

















―俺には、涼が何故泣いたのか、意味が分かってなかった。



・・・まだ、俺の知らない涼がいることに、





―気付いてなかった・・・・・。