「えぇ?」




母さんは苦笑いで。





「私が、変な人たちに絡まれてたから・・・・それで・・・えっと、」




涼は一生懸命母さんに説明しようと必死だった。





「あら、大丈夫よ。弾は強いからすぐ治るわよ!ねっ!」




「ん」



「体張ってまで助けたかったのね、おっと・・・お母さんお邪魔ね」




母さんはクスクスと笑って、「じゃあ、大人しくしてなさいよ」と俺に言うと、涼に頭を下げて帰っていった。









「せっかくの祭りが最悪だったな・・・悪い・・・」




―理性が飛んでいたのもあるが、あんな俺、涼に見せたくなかったな。





俺は渋々と考えた。






「私こそ、ごめんね。弾の退院延ばしちゃって・・・」




涼は気まずそうに俺の左手を両手で包んだ。






「気にすんな」




俺は涼に笑いかけた。




涼は俺に笑い返し、椅子から立ち上がると、病室のドアの取っ手に手を掛けた。





「ねぇ、弾。私、弾に言いたいことがあるんだ」



涼は振り向き、俺を見た。





「ん?」




俺は首を傾げる。










「私、弾が好きみたい」









―え・・・?