ソプラノ

「涼!」





叫んでも叫んでも涼はいない。





焦っている俺の肩を、誰かが後ろから叩いた。




「おい、どうしたんだよ?」




陸と、俊介だ。






「涼が、いねぇんだ」




俺は顔に冷や汗をかきながら、陸と俊介に言った。







「マジ?柚と由希にも連絡しといてやるから、お前は探せ!」




陸は携帯を取り出した。





「悪い!」




俺はその場から離れ、涼を探し出した。







「涼!」





あっちへ行っても、こっちへ行っても涼の姿はない。






息が荒くなり、立ち止まる。





膝に手をつき足元を見たとき、俺の心臓がドクッと跳ねた。







俺の目に映ったもの。




―それは、無残にも袋の水から出て、地面でもがいている金魚の姿。






―ズキッ






金魚と涼の姿が重なる。







頭が、痛てぇ。