「そろそろ行こっか。もう集合時間10分過ぎてんだ」



俺が苦笑いすると涼は、



「えぇっ!過ぎてるの?急がなきゃ駄目じゃん!」



と言って俺の腕を掴んだ。









病院前のタクシー乗り場に2人で立っていると、タクシーが1台やってくる。





「あ」




俺はタクシーを捕まえようと、手を上げた。




すると、タクシーは素通りしていって、俺がブチ切れて。




―涼が笑って・・・。






「弾・・・・シカトされてるっ!」



涼はくっくっと喉を鳴らして笑った。






「じゃあ、涼がやれよ」




俺はムッとして涼に言ってみた。





「いーけど、止まってくれたらリンゴアメだからねっ!」




涼は笑いながら、タクシーに向かって手を上げた。



するとタクシーは俺達の前で止まる。





「やったぁ!」と、涼はガッツポーズをして喜んでいた。





「まじかよ。しょうがねぇな・・・」





俺はやられた、といった顔で、タクシーに乗り込んだ。