ソプラノ

「待ってください、あの・・・話したい事があるんですけど」






彼女は小さな声で囁いた。










「ん?」







俺は陸に「先行っとって」と口ぱくで伝える。







陸は「りょうかい」と口ぱくで返し、階段を上っていった。










「あの・・・安西柚先輩と付き合ってるって本当ですか!?」








突然彼女は大きな声で言った。








「んっ?」






俺はあまりにも突然な言葉にびっくりして、首を傾げた。







「どっからの噂?」







俺は冷や汗を拭い、小さくため息をついた。








「えっと・・・友達が言ってて、それで・・・」






彼女はそれっきり、黙り込んだ。









「付き合ってないけど」







俺は頭をかき、俯いている彼女に言った。