ソプラノ

「えっ!?嘘でしょ?」




「本当かは分からないけど~、安西先輩って人だっけ?ねぇ、久実の陸上の先輩でしょ?」





友達は陸上部の久実に声をかける。






「うん、短距離のね、可愛い先輩だよ?」





久実はくしで髪を梳かしながら言った。







「ふぅん・・・そうなんだぁ」





あたしは、久実の言葉に、少し苛立ちを覚えた。











―何、その「安西柚」って誰よ・・・?







あたしは爪を噛んだ。







「・・・かーれーんっ!着ベル」






友達は時計を指差すと、自分の席へと戻っていく。








―「安西柚」“先輩”ね・・・・。








「邪魔だわ・・・・」








あたしはボソッと呟き、席へと着いた。