陸が帰った後、俺はベッドの上で仰向けになり、真っ白な天井を見つめていた。







『俺さ、由希が好きなんだ。何にでも一生懸命で、明るくて、友達思いで、すっげぇ好 きなんだ・・・。

 でもさ、由希好きなやついんだよ。
 そいつの好きなやつはさ、たまにムカツク奴だけど、かっこいい・・・一緒にいて  飽きねーし、俺にとっちゃー大事な親友。分かってるだろ?お前だよ・・・。


 俺は、この恋を諦めれるわけねーし、友情だって壊したかねーよ。


 だから、ちゃんと考えてやってくれ。その結果由希が悲しむような結果でも、俺は  お前が悪いとは絶対思わねぇからさ』




―陸の真剣な瞳に呑み込まれそうになった。





陸の気持ちはよく分かった。





・・・そうだよな。あの日から由希は病室にも来ねぇし、連絡もとってない。




由希にとってはずっと俺に伝えたかった“気持ち”があって、それに俺が真剣に答えなくてどうする。



由希の想いを無駄にするだけだ。









「分かったよ、陸」





俺はそう呟くと病室を出て、階段の近くにあった公衆電話の受話器を手に取った。