ソプラノ

「ん?何が?」







憲太は再び俺に顔を向ける。







「何が、って・・・何か元気ないなぁと思っただけやけど」





俺はグラウンドを見ながら言った。










「・・・お前鋭いな~!もしかしてお前エスパー!?お前は人の心が読めるのか!?」




憲太はおどけ、俺の眼鏡を奪う。







「ちょ・・・何も見えん!」






俺は憲太から必死に眼鏡を取り返そうと試みる。







だけど、憲太は俺の手をスルリとかわし、笑っている。









―諦めよう。







俺は短くため息を吐くと、「さっきの話の続き」と、切り出した。








「あぁ!何、お前聞いてくれんの?」


「うん?」



憲太は俺に眼鏡を手渡すと、苦笑いして、頬をかいた。









「あのさぁ・・・」






憲太は話し始めた。