ソプラノ

「ここはメアリーが・・・・・・・・、」





俺の席の前の男子が説明している中、俺は柚の手紙の返事が気になっていた。









「うん、そうだな。良い訳し方だ」




先生は頷き「次は、橘」と、俺を見た。







俺の順番が回ってきた。








―うわ・・・全然聞いてなかった・・・今どこだよ・・・。







俺は椅子から立ち上がると、教科書を開き、とりあえず英文を読む。







俺の声は少し自信の無さげな声だった。




それに気付いた柚は、「僕は明日、公園で野球をするつもりです」と訳を書いたノートを俺に向けた。







「僕は明日、公園で野球をするつもりです」









「そうだ」








先生は俺を見て頷く。






―はぁ~よかった・・・。





俺は椅子に座ると、柚に「さんきゅー」と小声で言った。






柚は両手ピースして返した。