ソプラノ

“どこ行ってたの?まさか、彼女のトコ?”





丸く、小さなその文字は、青いボールペンで書かれていた。



俺が柚の方に顔を向けると、柚は紙を指さし、「書いて」と口ぱくで俺に言った。






“まさか、俺に彼女がいると思っとんの?”




俺は先生の目を気にしながら、柚の机に手紙を投げた。






柚は手紙を開き、クスッと笑うと、すぐに返事を書いて俺の机に投げた。




“そっか(笑)でも、本当に前の学校とかに彼女いないの?”




今度はオレンジ色のペンで、そう書かれていた。








“いないって。好きな子もおらんかったしな”




俺は柚の机に手紙を投げる。






“へぇ~寂しいなぁ、俊介の人生。”



今度はピンク色のペンで書かれた文字。







俺は「まだ14やって」と小さく呟くと、“柚こそ、彼氏おらんのか?”と返事を書いた。